www.kensawada.com
TOPICS 色々なお話   RIR(ロード・アイランド・レッド)についてのちょっと面白い話

ハックル・ストークでボディを巻く発想

R.I.R. hackles and Lunn's Particular.

彼がフライを巻くのに使用したマテリアルは、全て彼の身の回りに普通にあるものだった。それにも拘わらず、生み出されたフライが斬新だったのは、マテリアルの使い方が新しいアイデアに溢れていたからである。

しかし後世のフライタイヤーたちにとって困ることがあった。それは彼を含めて他の先人たちがそうであったように、彼独自の技術やアイデアについての記述を殆ど著さなかったことだ。残っている記録の大部分は周囲の人たちの推測によるものだった。

Houghton Ruby

Hook: 16.
Tying silk: Crimson.
Body: Hackle stalk, dyed red and crimson.
Wings: Two light-blue dun hackle tips, tied in flat.
Whisks: Three fibres from a white cock hackle.
Hackle: Rhode Island Red.

出展:Famous Flies and their Originators by T. Donald Overfield.

Lunn’s Yellow Boy

Tail: Pale buff hackle fibres.
Body: White hackle stalk dyed medium yellow.
Wings: Light-buff cock hackle points put on flat.
Hackle: Light buff cock hackle.
Tying silk: Pearsall’s gossamer, pale orange, shade 6A.

出展:Fly Dressers’ Guide by John Veniard.

Lunn’s Particular(ランズ・パティキュラ)は、1917年、彼がタイイングを始めて数ヶ月後に巻き上げたフライであった。

水生昆虫のミディアム・オリーブ・スピナーを模したものと思われる。美しいだけでなく、可憐さと生命感に溢れ、もちろん活性の乏しい魚に対しても、絶大な効果があった。

彼はこのフライと同時期にHoughton RubyとLunn’s Yellow boyも巻き上げた。これらは後に3大スピナーと呼ばれるようになったが、特徴は全てハックル・ストークを使ってボディを作っていたことだ。

--つづく--

©KEN SAWADA
2012-12-03

TOPICS 色々なお話   RIR(ロード・アイランド・レッド)についてのちょっと面白い話