'08 サクラ咲く 〜実釣二回目の幸運〜 サクラマス 60cm, 2.2kg!
梅田 大輔 (うめだだいすけ) 奈良県在住 Daisuke Umeda in Nara 【Japan】
フライフィッシング歴13年 / サクラマス歴1年
足元に横たわったのは60cmの美しいサクラマス。幸運の一日。喜びと、戸惑いが交錯しつつ・・。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
60cm |
体重 Weight |
2.2kg |
フライ Fly & Hook Size |
アクアマリン・グリーン on PT 1-1/4 in with #10 Treble Hook
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ロッド Rod |
KS SS1712D |
リール Reel |
KS SU Salmon II Silver |
釣った日 Date of Catch |
2008/03/02 |
釣った場所 Place of Catch |
九頭竜川 |
IMPRESSIONS
言い表しようのない大きな喜びと、小さな戸惑い。
「いくらなんでも、早すぎる・・・。」九頭竜川でサクラマスに挑戦。実釣回数わずかに二回。
今日は新藤氏にくっついて経験を積むために来た。ポイント・道順・肝心の釣り方、学ぶことは幾らでもある。天気も良く、絶好の釣り日和。車中では「今日はサクラマス見せてくださいね!」などと呑気なことも言っていた。
家を出るとき悩みながら取った行動がある。
いくつかのタックルの中から1712Dとサーモン IIを選んだ。
ラインはタイプ2のみ、フライはアクアマリンとローズマリーの二種類だけ。
選択の幅を広げれば、現場で悩みの数を増やすだけと考えた。「今日は勉強、これだけで良い。」
氏が釣り下って一時間後、スタート位置は同じ。流れが角度を変え、対岸に向かう瀬の頭、左岸に立つ。新藤氏が見守る中で釣り始める。「ダメ出しは当り前。いままで学んだことをどれだけ出せるか・・・。」
数投で普段との違いに気づく。明らかに飛ばない。キャスティング練習はグラウンドだったから無理もない。
ここで割り切った。左手に掛けていたフラットビームの輪を1つ、リールに巻き取る。これでシュートすれば竿先からフライまで約25m。流芯にはまったく届かないが、目の前の流れを確実にカバーすることを優先する。
背伸びをせず、自分が出来ることだけをやろうと決めた。
今思えば、この判断こそが正しかったと言える。
再び釣り始める。
最初の三投は岸際で根がかりしたが、これは折込済み。キャスト後、やや強めのラインテンションを保ち、そのまま釣り下る。
十投目くらいか、下流に伸びたランニングラインを手繰り始めた手が止まる。
ほんの僅かクッと引かれた。「何か掛かった・・・。」
瞬間、クンクンと引かれ、慌てる。思わず竿でラインを張ると強烈な引き!
「新藤さん! 何か釣れた!!」
頭の中で目まぐるしく考えが駆け巡る。
「まだ水温は低い、ウグイはない! 流れの中、ニゴイじゃない!」
「まさかサクラ!!」
下流で水面が割れ白い魚体が見えた。瞬間、全身が強張る。脚が震え出し、一歩も動けない。右手は竿とフラットビームを握り締めている。1712Dをこれほど曲げた経験は、無い!
新藤氏の叫び声で漸く我にかえる。アドバイスをもらいながら、何度か寄せては走られを繰り返し、五分ほど経ったのだろうか。ネットに収まったのは60cm丁度の美しいサクラマスだった。
私にも釣れる日がくるのかと疑問も持っていた。よもや、こんなにも早くやってくるとは夢にも思わなかった。初のサクラマスは最高に幸せな一日を運んでくれた。
フライフィッシングを始めてから13年。確かな道具を使い、優秀な指導者の元で腕を磨けば、結果は自ずとついて来るのだ。ここまで指導してくださった新藤氏に、この場を借りて感謝いたします。
唯、一つだけ心配事が・・。一生分の釣り運を使い果たしたのではと・・。
釣った日の天候 Weather of the day:快晴、微風
現認者:新藤 忠伸(ジーニアスロッドメーカー)