'08 シーズン2本目はゴールウェイで サクラマス 50cm!
猫田 寅吉 (ねこたとらきち) 山形県在住 Torakichi Nekota in Yamagata 【Japan】
フライフィッシング歴28年 / サクラマス歴19年 / リリカルアングラーズ・メンバー
シーズン2本目まで、2度のバラし。悔しさの後の嬉しい一匹。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
50cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
バスタードシープ・ブラックとグリーンウイングのツートンフライ (オリジナル) on GT1/4+PT 1/4in with #4 XD1 Tube Fly Double
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ロッド Rod |
KS SW GALWAY |
リール Reel |
KS THE HONEYCOMB Salmon I Gold |
釣った日 Date of Catch |
2008/04/某日 |
釣った場所 Place of Catch |
in the River MO KAMUI |
IMPRESSIONS
そのときのアタリは強烈で、グン!ググググッー!ときたので、すぐにまたサクラマスだと確信できた。これはまたもらったぞと思い、意外にリラックスして魚とのやり取りを始めた。しかし、何回かリールを巻いたとき、魚とのやり取りはふっと消えてしまった。
なぜバレのか、すぐにはどうしてもわからなかった。何も問題の有る失策は思い当たらなかった。けれどもフックは外れてきた。タックルは前回釣ったときと同じランドロックだ。
このバラシが頭から離れず、2〜3日このときのことを反芻していて、なんとなく思い巡りついたことが出てきた。そんなに強いテンションではない感覚であったが、マスは同じ場所の水中でかなりもがいていたことが手に伝わっていた。もしかしたらフックが外れたのは、マスの口の中のフックがかかっていたところが、切れたりしたんじゃないか・・。それでフックが抜けてきたんじゃないか・・。
私はとっさに合わせたわけでもなく、マスの重みを感じてからぎゆっーとロッドを絞り、フックアップも問題なかったと思っていたのだ。しかし、やはりマスは手ごたえも良く、重かった。以前小国川で釣り上げたマスも、ネットに治めたとき、シングルフックが上口に皮一枚で止まっていて、すぐにでも切れそうだったのを思い出した。
そういうことだとすれば、私にバラシの原因がやはりあったのである。リールのドラッグを緩めずにマスを暴れさせ、そのままリールの巻き取りにかかった。勝負を急ぎすぎたということになるのではないか・・。バラした原因について考えが至った。
「あの時、リールのドラッグを緩めたり、ロッドに掛かるテンションを和らげるように下流に少し下るべきだったのではないか・・・」と、自分に対しての口惜しさが広がるばかりだった。
そして、次の釣りで、またしてもマスとの接触があった。グッ、グイグイ!今年3回目のマスのアタリに、今度はとっさにグッと合わせてしまった。合わせた後、クッ、クッとした小さな引きの感覚を残し、フッとロッドは軽くなったのだった。私にはそのとき、絶対に逃してなるものか、という気負いが無意識にでてしまって、やってはならない動作をやってしまった。結果は当然ということになってしまった。
「いやいや・・・サクラマスを釣るのはままならない」と、痛感した出来事であった。自分にバラシ癖がついたんじぁあるまいなと、不安をつのらせるようになってしまった。
週末ごと天気は思わしくなく、河は増水が続いた。久しぶりに水位が下がってきた休日、私的に諸々用事があったが、チャンスは少ないと思い、朝3時間だけの釣りに賭けることにして出かけた。
その日、昨年釣ったポイントに誰も釣り人はいなかった。私はしめしめとそのポイントで釣り始めたが、やはり水位は思ったよりも高く、10投もしないうち「まだ、ここじゃあマスが止まっているところまでフライは届かない、ここじぁダメだ。」と、下流の別のポイントが思い浮かんだ。すぐに場所を移動した。
移動したポイントで丁寧にフライを流し続け下った。ここぞと思ったポイントは、釣り下るには釣る区間の距離はかなりある。丁寧に下ったが、それももうすぐ何もなく終わりそうだった。時間がない、狙ったポイントを流すのももう終わりだ。ポイントの終わり、緩い流れのエッジ部とでも言おうか「最後のひと流し」と思い、フライを流した。しかし何もなかった。
私の目前のプールは緩い流れが終わり、流れは瀬に向かい、早くなり始めるところだった。
「もう一回、キャストしたい。もうひと流し。」と思い、ロッドを振った。
それは、最後の最後のダウン&アクロス。不意にグッ、グッグッグッ!と来た。
「このアタリだ。やっぱり来た。」
ロッド、ゴールウェイがしなやかに曲がり、弧を描いた。私は今回の釣りにはロッドは絶対ゴールウェイと決めていた。自分の魚とのやり取りに未熟さがあるのならば、それはタックルにカバーしてもらうしかない。とっさの出来事にもミスをカバーしてくれる質のものをと、昨年来の釣りを思い出し、この日の釣りにゴールウェイを握った。絶対この次のマスとの出会いで悔しい思いはしたくないと思っていたのだ。
岸に寄せたサクラマスは少し小ぶりだったが、なんかとてもうれしかった。憑き物が取れたようなすがすがしい気分。「またバラすんじゃあないか。」という思いからかなり自分は緊張していたと、釣り上げてから感じた。釣り上げたサクラマスの写真を撮りながら、胸の動悸がかなりなのを覚えた。