'09 最後の最後の一流し サクラマス 54cm!
安河内 孝憲 (やすこうちたかのり) 東京都在住 Takanori Yasukouchi in Tokyo 【Japan】
フライフィッシング歴15年 / サクラマス歴5年
チャンスは最終日の夕方、あっさりとやって来た。ブラックフェアリーをがっちりくわえた、ファースト・サクラマス。54cm。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
54cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
Black Fairy on SD1 Low Water Salmon #6
|
ロッド Rod |
KS SW 1612H Ultimate Hard Action |
リール Reel |
KS SU Salmon II Silver |
フライライン Fly Line |
DST-12-S Intermediate |
釣った日 Date of Catch |
2009/05 |
釣った場所 Place of Catch |
三面川 |
KILLER TROPHY FLY
Black Fairy
Hook: SD1 Low Water Salmon
Dresser: Takanori Yasukouchi
Originator: Ken Sawada
Source: kensawada.com
抜群の実績を誇るフライ。川の状況に合わせて、ダブルフックに巻いたパターンを選択。6番というサイズが良かった。
IMPRESSIONS
自分にとっては今日がシーズン最終日、泣いても笑っても、今日が最後である。
沢田さんからは「そろそろフライのサイズを小さく」とアドバイスされていた。あれこれパターンを悩んでいる暇はないので、結びっぱなしにしていたのは、SD1#6に巻いたブラック・フェアリー。
この日の夕方に、上流で一匹のヤマメが釣れた。昨日、面白いようにかかった流れとは違うところで飛び出してきた。日暮れも近かったし、相当疲れも溜まっていたが、最後の最後に下流を流さなければならないと背中を押される気がした。(沢田さんか・・?)
下流の同じような流速のポイントへ行って見ると、昨日までさっぱり誰も見かけなかったのに、今日は地元の人たちが珍しく釣りをしている。すでに5〜6本のヤマメを釣り上げているようだ。ツバメがいつもより多く目に付いた。
散々流された後の釣りである。しかし、ここまで来ると無の境地というか、流せるだけで幸せと思えてきた。さよなら三面川。また来年・・・・。とにかくフライが着水後すぐに活き活きと泳ぎだすようにと、それだけを念じて釣下って行った。
20投ほどして、流速がまた速くなり始めたころ。流芯を越えてターンした瞬間。「グーン!」とラインがすごく重くなって、そのまま動かなくなった。でも、根がかりは考えられなかった。
「ジーン!」フラットビームが勢い良く出ていく。遠くで「グン!グン!グン!」と本命以外では考えにくい、あの、どこか鋭利な生き物からの応答。
「やったー!」の声も出ない。
情けないもので、バラシの恐怖から、膝ががくがくカックンカックンとなる。しかし今度ばかりは、これまでの自分の体で覚えたバラシの痛みと沢田さんからの教えどおり、一切の余計な動きを停止する。
しばらくにらみ合いが続いた後、今度はあっさり近づいてきて、水面に姿を現した途端ローリングし、またもや流芯に走り出した。(ほんと心臓に悪い!)
引き味を楽しむなんてあり得ない。これを二度ほどやられた後、浮いてきた。フッキングはバッチリのようだ。SD1恐るべし。弱気な釣師は強気に豹変。一気に岸にズリ上げた。
写真撮影にまで付き合ってくれた後、元気に流れに帰っていった。最後の最後の一流しにチャンスはあっさりとやってきた・・・。
沢田さんをはじめ、座間さん、平野さん、ご指導いただきましたこと、心から感謝します。毎回ボーズで訪れる私を温かく励まし続けていただき、これまた分かり易くご指導いただいた「こどもや」の平野さん、佐藤さん。精神的にもどれだけ救われたか分かりません。この場をお借りしまして御礼申し上げます。その夜の満月が眩しいほど明るかったのも印象的でした。