'09 その気になってくれるまで ヤマメ 47cm!
人見 倫央 (ひとみのりお) 栃木県在住 Norio Hitomi in Tochigi 【Japan】
フライフィッシング歴17年
何度も流芯に張り付き、動こうとしなかった大ヤマメ。更なる期待は来期に・・・!
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
ヤマメ Yamame Trout |
体長 Length |
47cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
ダンケルド #6
|
ロッド Rod |
KS SW MELVIN |
リール Reel |
KS SU 910 Green |
釣った日 Date of Catch |
2009/09/05 |
釣った場所 Place of Catch |
本流 |
IMPRESSIONS
「小魚1匹いなくなってしまったか?」と思えるほど、アタリすら無い様な日々が続いた。
しかし、そんな事あろうはずない。私の目指す魚は必ずいる。(そう思わなければやっていられない。)ただ、今は魚にその気が無いだけ。それなら、その気になってくれるまで、ただひたすら通うのみ。その時まで悠然とフライを流すのみ。のんびりしているようだが、確信めいたものを感じていた。
その日、古い付き合いの友人と昼食を済ませ、久し振りの語らい。釣りには全く無縁のその友人だが、私が根っからの釣りキチと知っているだけに、「最近、釣りには行っているのか?釣果は?」といった具合に尋ねられた。
私は、「最近全く…」などと返答をしながら、「はて?釣りには全く無縁のこの友人に今日、イブニングに使うフライを選んでもらうのも、面白いかもしれない。」と脳裏に浮かんだ。
私は、車に積んであったフライボックスを友人に渡し、どれでも良いから、と2つのフライを選んでもらう事にした。友人は、「???」といった表情をしながらも種類やサイズ、数多あるフライの中からダンケルド6番とピーコック&グリーン10番を指差した。
「よし、フライは決まった。」私は、友人との近日中の再会を約束し、いつもの川へ急いだ。
川に着いてみると、ここ数日と変わらず、どこか無表情のままだ。私は、自身の確信を友人に選んでもらった例のフライに託す様な気分で釣りを開始した。
この時期のイブニングは駆け足で暗くなる。今日もだめか・・。
流芯の瀬脇、速い流れの筋がよれた。と思うと同時にドスンッ。魚は、確かなフッキング感覚を残して、少しずつラインを引き出して行く。ほどなく長い金属音が鳴り、流芯の水底に止まった。私は、ゆっくり川岸に足場を確保し、ロッドをかざしファイト開始。が、動かない。
気を取り直してゆっくりとロッドをかざす力を増すと、流芯のど真ん中を上って来るが、ようやくフライラインがリールに入ったかと思うと、すぐに走られ、バッキングが出て行き、また、流芯の水底に止まる。
何度か繰り返したが、このままでは埒が明かない。私は、持久戦を避けると同時にファイトの主導権を握るため、流芯から魚を引き離そうと、祈るような気持ちで、ロッドをかざす向きを変えた。
魚は私の気を悟ったのか、これまでよりも抵抗し、更に下流に走ったが、今度は、流芯の脇に止まった。よし、うまくいった。間髪いれずファイトを開始し、ドンッ!と動こうとしなかった魚を思惑通りにこちらの手の内に持ち込むことに成功。
強い魚だったが、流芯から離したのが功を奏したのか、川岸に誘導するまで落ち着いてファイトを展開し、私の確信ゲームは終了した。
友人に礼を言わなければ…、それと何故、例のフライを選んだのかも…。やはり、もつべきものは友である。
更なる期待は来期に!?いや、足るを知り、今はこの充実感を楽しみたい。