'05 2005年山形の大本流から サクラマス 61cm!
猫田 寅吉 (ねこたとらきち) 山形県在住 Torakichi Nekota in Yamagata 【Japan】
フライフィッシング歴26年 / サクラマス歴16年 / リリカルアングラーズメンバー
2005年4月3日に釣ったサクラマス。美型のフレッシュランにうれしさがこみ上げる。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
61cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
グレイイーグル (1/4インチゴールドチューブ+1-3/4インチプラスチックのハイブリットチューブ)に#4トレブルフックをフリーフックシステムで。
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ロッド Rod |
KS SS 1712D Millennium Green |
リール Reel |
KS SU Salmon I Silver |
釣った日 Date of Catch |
2005/04/03 |
釣った場所 Place of Catch |
in the River MO KAMUI |
IMPRESSIONS
2005年 今年もサクラマス釣りのシーズンは巡ってきた。
今年も、早くサクラマスを釣りたい。
おもに山形県でフライフィッシングをやる仲間が集まって出来た釣りクラブ、私たちのリリカルアングラーズクラブの面々も、「今年も釣りたい。今年こそは釣りたい。」と厳冬期からサクラマス釣りモードに入る。
しかし、やはり、サクラマスは易しくは釣れてくれない。解禁からの2ヶ月は風雪に耐え、指の痛みを堪えロッドを握り、振り続けても朗報は聞こえてこない。
そんな中、今年は3月6日に、サクラマス釣りの達人、仲間である、山形のフライフィッシング専門店、ロッドショップ『クリーク』のオーナー遠藤昭弘氏が早々60センチのフレッシュランをランディングした。
それから1ヵ月間、「よし、サクラマスのランは始まった。」とばかり、リリカルアングラーズのサクラマスフリークは、ルアーでも釣られている状況、情報を交わしながら思い思いの川、ポイントに繰り出した。しかし、以来これまで仲間のロッドを、サクラマスは撓ならせなかった。
サクラマスの停まる所を探しての私たちのさすらいは続いた。大河、大本流の狭間に、サクラマスが止まっていそうなところを探し、広大な流れに挑む。バックが岸辺の柳にブロックされたところは必然的にスペイキャストになる。
「もしかして、ここにサクラマスが停まっているかもしれない。」そんな思いに、やってみるべきところは釣り辛くとも釣ってみるべきだとフライを流す。浅く、緩く、障害物が沈む流れに、あれでもない、これでもないと流れにあったラインを選ぶ。
そして、めまぐるしく変化する春の天気、強風がロッドを煽り倒す。時として河は手がつけられないほど濁り膨張する。ままならない釣りはずっと続いた。けれども、「きっと釣れる。」この言葉を見失わない。そう言い聞かせて、本格的なサクラマスのランを私たちは待った。
大本流にサクラマスを探して。
遠藤親父の釣り姿。
「3月末、私たちの釣りしている辺りでサクラマスが釣れたそうだ。」「いよいよ来たか?」4月最初の日曜日、私は朝6時から流れにたった。
風雨の中、仲間は2人来ていた。その中のひとりは附田氏。私達は、各々、思い通りのポイントでフライを流し始めた。
朝、私が思うところの1番、2番のポイントを流し終えた。「次はどこをやろうか?」昨日より水位は30センチほど高くなっている。夜明け前から時折雨が降っていたが、濁りは入ってこないようだ。
「この前、釣りをしていて、もうチョッと深ければいいんじゃないか?」と思ったポイントが頭をよぎった。さっき最初にやったところの、対岸の、川のカーブで出来た淵の、テール部、ほんの小さな湾になっているところの部分。
「この水位で、あそこは浅いけれど、緩い流れの続いているところに小さな流れの淀みが出来て、フライもうまく流れるようになっている状態じゃないだろうか。その底には、そんなに大きくはないがフライが引っ掛かる石が2〜3個入っているようだし。」そう思うとまっすぐその場所に向かった。
一度、そのポイントの少し上流でフライの流れ方と、使用しているラインを確かめるため2〜3振り、フライを流してみた。ラインはタイプ II。「これでよし。」そう思った。
そして、狙いを定めたポイントへ。2投目、クィッと底石を擦る手ごたえ。「やっぱり、チョッと底が乱れているな。」と思った。「来るなら、次か、その次のキャストかも知れない。」
フライはグレイイーグル。
デブ猫のほくそ笑み。
3投目をキャスト、ラインが流れをクロスし、私は小刻みに、ゆっくりロッドを上下させた。
フライが、流れをクロスし終わったような感覚に、ロッドを岸側に倒しリトリーブを始めようとした瞬間、クンクンと何か控えめなようなアタリが来た。
「ニゴイか?ここでニゴイはない。このアタリはサクラマスに決まっている。」咄嗟だが自信を持ってそう思った。
ラインをそおっと張ってみた。すかさず、ククーッとロッドが曲がった。「よし、来たぞ。」自分に言い聞かせた。ロッドを、水面すれすれ岸側に倒し、両手でゆっくりグーッと引き、合わせた。
ググググと重い手ごたえが来た。 少し遠くの、緩い川の流れのすぐ下が、鈍く銀色に光り、水面が乱れ、魚ののたうつのが見えた。「よし、掛けたぞ!」
これまでの、私の、掛けてからの魚とのやり取りは万全だろう。そう思った。あとは、急激な動作で魚を暴れさせないよう、水面に出さぬよう、慎重にファイトすればいい。そして、その緊張に耐えるだけだ。
3度ほど沖に逃走を試みられたが、私は逃すことはなかった。今年も、重いうれしさがこみあげてきた。このあと、少し離れたポイントで一緒に釣りをしていた附田氏も釣った。