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'10  今季もまた、ドキドキハラハラ サクラマス 65cm!
猫田 寅吉 (ねこたとらきち) 山形県在住  Torakichi Nekota in Yamagata 【Japan】
フライフィッシング歴30年 / サクラマス歴21年 / リリカルアングラーズ・メンバー
Torakichi Nekota Cherry Salmon
今季初もの。今までで最も幅広の魚体。65cm。
MY TROPHY | MY RECORD
魚種 Species サクラマス Cherry Salmon
体長 Length 65cm
体重 Weight 計測せず
フライ Fly & Hook Size バスタードシープ・ブラックとグリーンウイングのツートンフライ on 1インチアルミチューブ+Treble #4
ロッド Rod KS SW GALWAY
リール Reel KS SU SALMON I Silver
フライライン Fly Line DSS-12/13-FIを10mでカット。先端も若干カット。これにDST-10-Type III先端を繋いだ改造シンクティップライン
釣った日 Date of Catch 2010/02/某日
釣った場所 Place of Catch in the RIver Mo KAMUI
IMPRESSIONS

私にとってゴールウエィは最高のロッドです。

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冬季の川は水位が低い。しかし、この季節何年か大河川の下流部の釣りをやっていて、水位が低くともサクラマスは確実に川に入ってきていることを知るようになった。サクラマスは川に入ってきて緩い流れを伝って遡上してきて、時にその緩い流れでステイしているようだ。その緩い流れでいかにフライを流して釣るか・・。

私はそう考えてここ2〜3年早期のサクラマス釣りに臨んでいるのであった。

そういった考えから、私は昨年より愛竿ゴールウエィに新しいラインをセットした。そのラインのコンセプトは、ショートヘッドでアンダーハンドキャストでのキャスト。そして水位の変化があっても的確に底近くにフライを流がせ、水がゆるく巻くポイントではフライが底に沈着する前にリトリーブすることを考えたラインである。
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今回サクラマスを釣ったポイントで以前釣れてきたなまずです。おまけです。こんなんでもばらしたら癪だと思うのです。バラすとそれが後でなんだったのかとても気がかりなります。2匹釣りました。

DSSフローティングライン。すばらしいシューティングスペイのラインがリリースされたと思った。購入してゴールウェイで、カットしてセットするラインの長さを試し振りをしながらか計った。先端から10mの位置でカット。そしてそれの先端部これも少しカットした。その先に繋ぐシンキングラインとして、DST-10-S Type IIIをカットし、ループトゥループで繋いだ。

水位の状態によってより深く沈めるために、これにさらにシンキングリーダーをその先に取り付けられるようにもした。これで昨年より釣りを始めた。シューティングの能力は我ながら満足できるチューニングだと、独りよがりしているものである。

昨年このゴールウエィでの釣りでは、私の釣りの本命のサクラマスには出会わなかったものの、生まれて初めてスズキなる魚を、サクラマス釣りをしていて釣ってしまった。また、支流の小国川ではこれまで釣ったアメマスの中でいちばん大きなアメマスを釣ることが出来た。
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さて、そして、今年のシーズンは始まった。下流に向かい右岸からキャストするポイントでの釣り。左手アッパーグリップの投げがよく出来ない私はリバースのスペイキャストでやることにしている。そしてとにかく魚が当たったらどんな魚でもでもバラしてしまうのは癪なので、これまでの自分の釣りでもっとも魚を獲って来たゴールウエィを握り、その日そのポイントにたった。

水位は昨日から下がり始めた。ポイントに立ったとき「こりぁ、釣れそうだ」と思った。

緩い流れはキャストしてリトリーブ。丁寧に流れをくだりながらフライをキャストしていく。
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ポイントは緩い流れから、後半は流れがすこし早くなる。フライも流しやすくいい感じにフライが流れてくれる。

キャストしてダウンアンドアクロス。ロッドを上下にゆすり始めた瞬間。不意に、ガツンとした衝撃が手に伝わった。

「はて、なんだろう??」流心のすぐわき。大きな障害物があるわけでもないところ。「さかなか?しかし魚だったらこのゴールウエィに掛かっていたんじゃないか?」気を取り直し、下らずに同じところから再度キャストし流す。何もない。引っかかるものがある感触もない。

そこで思った。今のは魚だ。それも本命のマスだ。私は断定した。「どうして今の魚を再度自分のフライにアタックさせたらいいのか・・・」とおもった。
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「一旦ここで岸に上がって一呼吸入れるべきだ。二回目のキャストで何もなかったということは、今のフライを無視されたことになる。それならフライを別の色のものに交換してやってやる。」そう思い、岸に上がった。

そこへ、釣友T氏がやってきた。「おはよう。」私はT氏にその始終を話し言った。「ここに1匹居るぞ。間違いない。」

はじめオレンジ色基調のフライでやっていたものを、グリーン色基調のフライに付け替えた。

そしてT氏に「どれ、やる」と声をかけ、浅くウエーディング。ワンキャスト。そして二回目のキャスト。ロッドを揺らし始めたそのとき。グッグッグッと来た。

T氏に「ほれ、来たぞは」と声を掛けた。T氏はファイトの写真を撮ってくれると言った。
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魚は、リールからラインを引き出しくだりは始めた。そしてもっともいやなローリングを始めた。

魚は重い手ごたえで、それが水面でグルグルバシャバシャしている。ロッドを水面すれすれに倒し、暴れる魚に耐えた。グルグルグルグルバシャバシャ。・・・魚はこれまでであったことがないくらいぐるぐるを繰り返した。

「そろそろグルグルやめてくんねーかなあ。ぐるぐるやめろぉぉぉぉっ!」と心の中で叫けんだ。しかし、魚はそれとは逆に、不意にバシャーンと全身で宙を泳いだ。「おおーっ。シルバーメタリック。かっこええ。ぜったい獲りてぇ!」と心の中で思った。

そして「完全にやっぱりホンモノだ。」これを見たであろうT氏に言った。しかし、「ロッドをこんだけ下げているのに、ジャンプなぞしやがって、掟破りだ!」瞬時にそういったことが沢山頭の中に交差したものの、マスの大暴れは続いていた。

「やばいやばいやばい。いちばんやばいパターンだなこりぁ。」となっていた。ドキドキハラハラの緊張がずっと続いていた。すこし長いファイトになっていた。マスが少し寄ってき始めたところ、はやくこのハラハラドキドキに終止符を打って安堵したいという想いでいっぱいになった。
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「どうしてこのサクラマスというヤツは、ハラハラドキドキさせられんだろうな・・。」と腹立たしい気持ちも沸いたとおもう。ならばそろそろ一気に引き寄せ勝負に出ようかとして、丁氏に「そろそろ岸にずり上げっぞ。」と言うと、T氏は、「ここは、岸辺に柳の小さいのがいっぱいあって、ラインが絡んだりするとバレの原因になったりするから、ネットで掬った方がいい。」とアドバイスしてくれた。

私はハラハラドキドキから逃げ出したくてしょうがなかったが、T氏の一言で慎重さを取り戻した。マスと私の距離は縮まっていた。しかし引きは強く、ゴールウエィはぐんにゃり弧を描いたままだった。

そこで、ふと気づいたことがあった。そういえば今日は寒い。さっきまでガイドの氷結を気にしながら釣っていた。「このままの体勢でロッドを保持していたらガイドの氷が盛り上がり、ラインが止まってしまったりして大変なことになるんじゃないか。よし、こうだ!」曲がっているロッドをそのまま横に倒し、水に水没させた。
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ガイドの氷が全部取れたに決まっていると思い、このことですごく落ち着きを取り戻した。そうしてすこし魚とのファイトを続け、ついに腰に差していたネットを水に入れた。そしてやっと獲ることができた。「Tさん、獲ったぞ。やった。」私はそう言ったとおもう。

サクラマスの口にはティペットがぐるぐる巻きになっていた。これまで出会ったサクラマスの中でいちばん幅広だった。T氏という最高の釣友に感謝の気持ちでいっぱいだった。

しかし、最初の一回目のガツンのアタリはなんだったのか。フライに体当たりだったのか。疑問は残った。
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