'10 聖地・九頭竜川にて サクラマス 61cm!
長谷川 俊哉 (はせがわとしや) 神奈川県在住 Toshiya Hasegawa in Kanagawa 【Japan】
フライフィッシング歴21年 / サクラマス歴6年 / 大物歴:10年〜
少々細身の美しいサクラマス61cm。念願の九頭竜川で歓喜の一匹。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
61cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
ナイトスティングレー・ロングテール on PT 1-3/4in with ST1 Treble Perfect #4
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ロッド Rod |
KS SS 1712D |
リール Reel |
KS SU Salmon II Silver Prototype |
フライライン Fly Line |
DST-12-S Type II + SuperTech Leader 12ft -4X |
釣った日 Date of Catch |
2010/03/29 |
釣った場所 Place of Catch |
九頭竜川 |
IMPRESSIONS
釣りには、誰もが憧れる「聖地」と呼ばれる場所がある。
ここ数年はサクラマスを狙う機会が増えた。そしてこの「サクラマス」を語る上で外せない「聖地」が「九頭竜川」だと思うのは、自分だけではないだろう。「いつかはこの川で!」と思っている人は少なくないはずだ。
今年の解禁当初は時間が取れず、また3月に入ってからは天候不順ですっかり出鼻を挫かれ、気が付けば3月も終わろうとしていた。月末にやっと2日ほど休みが取れたので、天候は悪いが、九頭竜川へ向かう事にした。
土曜日は高速の渋滞で現地に到着したのが夕方になってしまい、ひと流し。日曜日の午前中はポイントをゆっくり見て回ったが、さすがに人出が多い。今年は好調!の噂は本当らしい。午後になってようやく釣りを再開。「勝負は月曜と火曜の午前中になる。」出発前からそう考えていた。
日曜の夜から少し強い雨になった。水位の上昇と濁りが心配になる。「明日は大丈夫だろうか?」不安とボンネットを叩く雨音が気になり、眠れない。仕方なく車を橋の下に移動させると不快な雨音が消えいつの間にか眠っていた。
朝起きて携帯で水位をチェック。・・解禁期間中はこればかりだ。夜中のピーク時から減水の方向に向かっていて、前日よりも少し高く、魚が動いた可能性大!あと気になるのは水色だ。急いで川に向かって車を走らせる。
途中河原を見ても、平日だからか、それとも今日の予報が悪いからか、釣り人の姿が全く見当たらない。肝心の水色も前日より少しだけ強く、良い条件が揃った。車止めにも先行者は居らず、ゆっくり支度を済ませ、ポイントに向かう。
水温6℃で高めの水位、エメラルドグリーンをした水色、大きいフライを使う時だ。ボックスからプラスティックチューブの1-3/4に巻いたナイトスティングレー・ロングテールをチョイスし、フリーフックでセット、流れに泳がしてみると実に良く泳ぎ、そして目立つ。
朝イチなのでプールの頭から丁寧に流し始めるが、アタリは無い。前日に流しているのでラインのテンションが良くない場所は少し飛ばし気味にして、核心部の少し手前からまた丁寧に流し始める。
このプールの核心部。昨日から妙に気になっていた。それは以前訪れた新潟の幾つかの河川で見たサクラマスの1級ポイントに、流れの感じや周りの地形が良く似ているからだ。実際にフライの流れ方も良い。「狙いは間違っていない、来るならこの辺りなんだが・・・。」そう思った時、本当にあの衝撃が伝わって来た!
全ての動作を停止。ロッドから伝わる振動と手元を滑るフラットビーム。そしてSALMON II の逆転音。水面が割れ1回だけジャンプして魚は止まった。
「意外と走らなかったな。」と思いながら、ロッドを岸寄りに倒し絞り込む。ここで外れなければまずは一安心。だが油断は禁物だ。増水時は岸に冠水した草木が生えていて、取り込みには危険が伴う。容易に岸に擦り上げられるプールの頭の方まで誘導して取り込むのが得策だろう。
上流から弱いテンションを保ったまま引っ張ると、魚は殆んど抵抗らしい抵抗をせずにそのままこちらに着いて上って来る。出来れば途中2〜3回流心に走ってもらいたかったが、彼女はそれをしない。少々の苛立ちと焦りを感じる。「なんでこんなに浮かないのか?」2〜3回水面付近に浮いた時に見た感じでは細身でそんなに大きく見えなかったのだが、不安が脳裏をよぎる。
「このままでは魚が休んで回復してしまう。」と思い、横から掛けるプレッシャーを少し強くした。程なくして彼女は浮き上がる回数が多くなり、横を向いた。取り込みOKのサインが出た。一度抵抗されたが、体勢を立て直し、一気に岸に擦り上げた。
歓喜と安堵。フライマンにとって至福の時。美しいサクラマスが自分の足元に横たわっているのだ。取り込んでみれば思いのほか大きい。これでは簡単には弱らないはずだ。メジャーを当てると61cm。念願の2尺ヤマメ。それも憧れの九頭竜川で!
「チャンスは短い。写真は後にして直ぐにフライを投げろ。」マインドアングラーで知った言葉だ。実に名言だと思う。当然そのつもりでいたが、やり取りの最後の方でルアーの方が来られたので、一端休止。
「今年新調したデジカメのデビューがサクラマスとは何ともラッキー!」と写真を撮りまくっていると、海の方から黒い雲が近づいて来るのが見えた。程なくして風が強く吹き始め、雪が舞い降りて来た。「最高の条件とタイミングが合ったからこそ訪れた幸運だな。」車に戻りながらそんな風に思った。
沢田さんに連絡すると「おめでとう。良くやった。まだ3〜4匹は泳いでいるから早く戻って釣りなさい。」と言われた。「いやルアーの人が・・・。」とは言えなかった。
(つづく)
釣った日の天候 Weather of the day: 晴れ時々曇り時々雪
水温・水温の変化など Water Temperature: 6℃
水量・水量の変化など The Volume of Water: Mid Water