'00 イエロークィル・スペシャルで レインボートラウト 56cm!
高橋 雅人 (たかはしまさと) 栃木県在住 Masato Takahashi in Tochigi 【Japan】
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
レインボートラウト Rainbow Trout |
体長 Length |
56cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
イエロークィル on DD2 #10
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ロッド Rod |
KS SS 9108F |
リール Reel |
KS SU 78 Silver |
釣った日 Date of Catch |
2000/06/22 午前10時頃 |
釣った場所 Place of Catch |
中禅寺湖 |
IMPRESSIONS
Yellow Quill on DD2 Flat Perfect #10
フライフイッシングを始めるきっかけとなった思い入れの強い湖、中禅寺湖。
標高の高いこの湖は、下界とは異なった姿を見せる。特に今年は例年に比べると、3週間ほど季節が遅れ、5月だというのに木の芽も芽吹いていない。水中でも同じで、トラウトの接岸がかなり遅いため、岸から60、70メートルの深場にいるらしい。
ボートからのキャスティングで沖を探っていたフライマン達は、数多くのトラウトを上げていた。我々ウェーディングのフライマンにとっては手が届かず、確率の低い釣りを強いられた。5月中はやっとの思いで数本のトラウトを釣ることができたが、例年に比べると寂しい結果に終わってしまった。
ドライフライの6月
いよいよ6月、トラウトの接岸も多くなり、あちらこちらで釣れた話を聞くようになった。シーズンを通して中禅寺湖の大部分の釣りがシンキングラインでの釣り。6月はメイフライのハッチも重なり、魚が強く水面を意識し始める。ドライフライの釣りがこの頃から成立する。ウェーディング・フライマンにとって最も期待する時期なのだ。
5月の不調を取り戻そうと、友人と釣る気満々で朝うす暗いうちにポイントに入った。このポイントは魚の回遊が多い場所なのだが、バックスペースが少なく風向きによってはほとんど釣りにならない。幸いその日は風向きも良く、朝早くからメイフライのハッチも見られた。早速足元でライズを発見。すかさずドライフライをキャスト。すぐに出るものだと目をそらさずに見ていたのだが、何の反応もない。これは駄目だ、とよそ見をした時にライズ音。「あ−、フライがない。しまった!」と、急いで竿を立てどうにかフッキング。昨年放流されたのだろうか、少し鰭の丸い40センチ程の虹鱒であった。
「まぁ、最初はしょうがないか」と思いながら、これからもっと条件が良くなるのはずだと期待しながらライズを待った。一時間ほど経っただろうか、沖の方でライズが始まり、すかさずキャスト。風に乗ってフライがライズポイントに流れていく。私のフライの15メートル後から、友人のキャストしたフライが流れてくる。先に流した私のフライは、ゆるい弧を描きながら岸に向かい流れ始める。もう駄目だと思いラインを回収し、後からくる友人のフライを見た瞬間、大きな渦巻きと一緒にフライが消えた。
「あ−、やられた!」ほんの十数秒の差で私のフライは魚の視界に入らなかった。友人は、にやけつつも真剣な表情をしながらランディング。50センチ弱のネイティブレインボーだった。
その後も友人は私の不調をしり目に2本の良型のレインボーを釣り上げた。「あ−、今日は間が悪いな。」と、ドライフライを睨み付けた。友人の釣果を喜びつつも自分に悔しがりながら、複雑な気分で1日を終えた。
今シーズンのレコード
翌週、同じ友人と再度釣行することになった。先週のことがあり、同じポイントに入るのはあまり気が進まなかったのだが、前回私が釣ったのは放流鱒1匹。やはり同じポイントで釣らないことには気が納まらない。薄暗いうちから湖畔に立った。今日は前回とは条件が違う。湖は無風でライズも少ない。風がこのポイントの魚の回遊や釣りに大きく影響する。
3、4時間何もせず湖を眺めていると、ようやく待望の風が安定して吹き始めた。ふと沖に目をやると、風によってできた幅5、6メートルの潮目の向こう側に水柱を見つけた。即座に潮目の向こう側にフライをキャスト。すると今度は潮目の中に水柱が見える。素早くラインを手繰り、潮目の中にフライを入れた。魚の移動するスピードがかなり早い。もうフライのそばにいるはずなのだが、「またフライを見せられなかったのか!?」と、不安になった瞬間、水柱でフライが消えた。
早合わせにならないようにと一呼吸おいてフッキング。すぐに重さでそこそこのサイズだと確信できた。
3、4回走ったあと、水面に上がっては潜りを繰り返し、10分かかってランディング。この後、日没まで友人とねばったが結局この1匹だけであった。野性味あふれた堂々とした風貌。体高が高いと一種独特の魅力が感じられる。私にとって今年のマイレコードにふさわしい1匹であった。