www.kensawada.com
'06  6年目の歓喜 ファーストサクラマス 65cm!
大橋 泰 (おおはしやすし) 三重県在住  Yasushi Ohashi in Mie 【Japan】
フライフィッシング歴13年 / サクラマス歴6年
Yasushi Ohashi Cherry Salmon
6年目のファーストサクラマスは65cmの見事な魚体でした。
MY TROPHY | MY RECORD
魚種 Species ファーストサクラマス Cherry Salmon
体長 Length 65cm
体重 Weight 計測せず
フライ Fly & Hook Size アクアマリン・スクィッドNo.1 on 45mm ハイブリッドチューブ+ ST1 #4
ロッド Rod KS SS 1712D
リール Reel KS SU Salmon II Green
フライライン Fly Line DST-12-S Type II
釣った日 Date of Catch 2006-03-20
釣った場所 Place of Catch 九頭竜川
IMPRESSIONS

今年は九頭竜川へ行き始めてから6年目。今年3月上旬の釣行の際、まだフライラインさえ出し切っていない2投目だったか、極めて微々たる振動があり、それはあたかも絡んだフラットビームがガイドを通るときにほどける程度の衝撃がありました。

実際、私はそれがほどけたときの振動だと思い込み、あろう事かティップをピピっと揺さぶって振り払ってしまったのでした。

しかし、ガイドを手元からティップまで見渡しても絡んでいた様子はどこにも無い・・・。しまった、やってしまった・・・。その日は、悔しさでいっぱいで、集中力の無さを痛感しました。

書籍「パワーウエット・フライフィッシング」に、「・・・あたりが有ったら全ての動作を停止する・・・」と、あるのに、ティップを揺さぶるなど言語道断ではないか・・・!この大バカもの!と、自分に叱責しても空しいだけで、その日は意気深沈したまま終了しました。

その時のアタリがサクラマスのものかどうかは、確認する手立てはありませんが、自分にはそれがサクラマスのアタリでなきゃならん、との気持ちが強く、逆にその経験を利用し、もう一度基本から立ち返って考えてみることにしました。

あのアタリが出た時は距離こそ出ていないが、確かにフライは理想的に流れていた。 まだ飛距離が出ていない分、綺麗にターンオーバーしたフライは理想的に流れていた。 それがアタリの主には魅力的に映ったのだろうか?

・・・それまでの自分の釣り方を考えると、流芯の向こう側ばかり気になっていて、結局無理なキャスティングをしていたことになる。そうなればフライは流れを下りやすくなり、魚が釣れるわけがない・・・。そんな事は解っているはずなのに、全然解っとらん、ということです。「魚は投げたフライで釣るのではなく、流したフライで釣るのである・・・。」これも沢田さんの書籍にありますが、本当に重い一節であると思います。

それらを頭に叩き込んで、今回の釣行では、「油断大敵」「フライを水面に叩きこみ理想的に流す」そして「流芯の向こうは考えない」に徹しました。

お昼少し前に川へ到着し、各ポイントを見て回るが、やっぱり前回の場所が気になり、そのプールに立ちました。川は雪代で膨れ上がっており、前回中州だった場所は立ちこみは出来るが水没。12mのタイプIIのラインにー4Xのリーダーをセット。フライは「THE TUBE FLY」を見て妖しい色合いを一目で気に入り、しかも雪代に効果絶大と言われる、やや薄めに仕上げたアクアマリン・スクィッド。

5〜6投したところで強い向かい風の為、ターンオーバーしにくくなったので、リーダーのティップを30cmカット。次の一投は左サイドへやや倒したキャストで振りぬき、フライは水面に綺麗に突き刺さって流れた。

ドリフトが終了し、流芯をややはずれたあたりでリトリーブの手が止められた。間違いなく魚だと思いましたが、カウンターでフッキングしたためか、一気に下流へ走られました。絵に描いたようなストーリーで、驚きもしましたが、落ち着いてロッドを岸側へ倒しファイトが始まった。有名なローリングも何回かやられ、その時はテンションを緩めて何とか凌いでおりましたが、一向に寄って来ません。

やっとロッドティップにフライラインが入ってもまたフラットビームを持って行く・・・。こんな凄い魚がいるとは。経験の浅い自分には驚きでした。

ロッドは20分以上しなりっぱなしで、腕はガクガク、これは獲れないのか・・?と思いました。なんとか寄せてネットを出すも、「でかい、入らない・・・」とあきらめて、僅かしかない岸へと摺り上げたところで、一気に緊張が解け、脱力感と喜びの入り混じった不思議な感覚で目の前の美しい生き物に見入りました。

眩しい銀色、恐ろしいほどの体高、鋭利な歯。フライフィッシングを始めた時からずっと彼方を泳いでいたサクラマスが、ついに手の届くところへ来た。その口元には、ウイングはちぎれ、ボディー、リブなどがぼろぼろになりながら、それでもしっかりとサクラマスの口元にしがみ付いていたアクアマリン・スクィッドがありました。

ファーストサクラマスで、65cm。しかも全てを基本に立ち返ってすぐの幸運で、喜びも大きいのですが、、、残りの釣運はまだ残っているでしょうか・・・?