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'03  10年目の開幕は念願の サクラマス 70cm,  4.0kg!
内田 尚典 (うちだひさのり) 兵庫県在住  Hisanori Uchida in Hyogo 【Japan】
フライフィッシング歴12年 / サクラマス歴10年
Hisanori Uchida Cherry Salmon
迫力の横顔は夢のサクラマス70cm!
MY TROPHY | MY RECORD
魚種 Species サクラマス Cherry Salmon
体長 Length 70cm
体重 Weight 4.0kg
フライ Fly & Hook Size ブラック&ブルー・ストリーマー
ウォディントン25mm+トレブル#6
ロッド Rod KS SS 1712D
リール Reel KS SU SALMON II Green
釣った日 Date of Catch 2003/04/15
釣った場所 Place of Catch 九頭竜川・機屋裏右岸
IMPRESSIONS

夢の魚に触れて・・・

午前五時、絶好のコンディションの川に到着した。先行者がいなかったので、手前の流れをさっと釣ってから、中州に乗った。

一流し目。迫力ある流芯の脇に期待を込めてフライを泳がせたが、何事もなかった。今シーズン初めて使ったタイプIVシューティングヘッドでのキャスティングがもうひとつしっくりこなかったので、12.5メートルから12メートルに後ろ側を切り、つなぎ直した。フライを交換し、二流し目に入る。いい調子で、淡々と下る。

開きの終わり近くまできた。底のカケアガリをかすめるようにゆっくりと横切るフライに、小さなアタリがあった。身構えて一呼吸するのと同時に、40ヤード先の水面から魚体が躍り出た。二回、三回と、続けざまに飛んだ。30メートルほど走り、止まった。へっぴり腰になりながら、竿をぐーっと曲げてプレッシャーをかけると、じわじわと底付近を遡ってきた。

この段階でまだ、100%サクラマスだと信じ切れなかった。巨大なニゴイやマゴイがしばしば釣れている。「ジャンプしたから鱒にちがいないだろう」「重いが、やけにファイトおとなしい」などと考えながら、慎重にリールを巻いた。

後ろを振り返り、ランディング場所にはたと困った。腰まで深さがある弱くはない流れをファイトしながら横切り、岸にたどり着く自信はない。ウェーディングしながら釣り下ってきた馬の背伝いに、中洲の端まで戻ったとしても、枯草の間をそこら中に水が流れている。ずり上げられる陸地がない。腰にはインスタネット。友人の「でかいネットは必携」の言葉が脳裏をよぎる。
感動の瞬間。
70cmの見事な魚体。

時折、抵抗するのをなだめながら、とりあえず中洲までは戻った。寄せる覚悟を決め、さらにプレッシャーを強めたら、逆に5メートルほど走られた。余力はあまりないようだ。再び試みると、薄濁りの水中から大きな魚が浮かび上がった。やっぱり本命だ。急激に緊張が高まる。次の瞬間、ぱっと一吐きの血が広がった。呑みこんでいる。強引に草の間に引きずり込み、右手で尾の付け根を押さえ付け、出しておいたインスタネットに頭から突っ込んだ。

一見して、65センチあるかないかだろうと感じたが、メジャーを当ててびっくり仰天。夢の魚に触れ、幸福感に包まれた。