'03 シーズン2本目は夢のトロフィー サクラマス 53cm & 64cm, 2.9kg(64cm)!
沢渡 郷 (さわたりごう) 東北地方在住 Gou Sawatari in Tohoku 【Japan】
フライフィッシング歴4年 / サクラマス歴1年
初めて出会えた2尺のヤマメ。64cmのサクラマス。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
53cm & 64cm |
体重 Weight |
2.9kg(64cm) |
フライ Fly & Hook Size |
Stingray tied on Hybrid Tube with ST3 #4
Mantilla tied on Hybrid Tube with ST3 #4
|
ロッド Rod |
KS SS 1712D
KS AR LANDLOCK |
リール Reel |
KS SU SALMON II The Cherry Salmon |
フライライン Fly Line |
DST-12-S Type II + FB Super Floating 25lb. |
釣った日 Date of Catch |
2003/06/08 昼
2003/06/14 夕方 |
釣った場所 Place of Catch |
秘密 |
IMPRESSIONS
今シーズンの一匹目は53cm。
今年もパワーウェットの季節が来た。嬉しい反面、あの過酷さを想像すると「今年は控えめにやればいいや・・」と情けないことを考えながら自分を励ます。しかし、始まってしまえば去年と同じ繰り返し。毎回「今日は釣れるぞ」と本気で思う。だが、そんなに甘くはない。挫折しそうになること数知れない。
あまりにも釣れないと、今までやってきたことが全て間違っているのでは、と不安になってくる。あれやこれや考え始め、色々と試してみるのだが、アタリもない。「前に釣ったサクラマスは交通事故だったのか・・・」と自信喪失になる。
一方、自分のフライが水の中にあるときは「今に来るぞ」と思っている。反面、期待しながらも「アタリが来なくて当たり前・・」と心のどこかで思っている。
ところが、釣れるときは何とあっけないものなんだろう。淡々とキャスティングを続けながら釣り下る。いつもと何ら変わらない動作に突然衝撃が走る。ズンズンと重みのある首振り。今期の1匹目は53cmだった。
ハイブリッドチューブに巻いたスティングレイ。
幸運を呼んだランドロック
その1週間後、今年の2本目が釣れた。先週釣れたという事実で、いつにも増して釣れる気がして自信に満ちあふれていた。が、いざロッドを振り始めると溜まった疲労のせいで身体が痛い。痛みをこらえながら休むことなくロッドを振り続ける。時間の経過とともに苦痛で顔がゆがんでいるのがわかる。あんなにあった自信も、夕方には崩れ去り、「今日もやっぱりだめだったか・・・」と絶望感が襲ってくる。もう止めようかと諦めかけたが、次の釣行は来週になってしまうからもう少し頑張ろうと、気を取り直してポイントを移動した。
そこでは身体の負担を減らすために、予備用に先輩から借りていたランドロックを使ってみることにした。先輩がサクラマスを釣るために初めて買ったロッドで、何匹ものサクラマスを釣り上げている験の良いロッドだ。64cmまで釣ったことがあると聞いていたので、これさえ使えばきっと釣れるだろうと都合の良いことを考えながらロッドを繋いだ。
釣れるときはあっさり。64cm。
今までと違うアクションなので慎重にキャスティングをし、飛距離も無理をしないことにした。そんな余裕が良い方向に働いたのだろう。あれほど定まらなかったプレゼンテーションが治ってきた。
数投したところで一等地に差し掛かる。これからだなと思った2投目、「ドン!・・ズンズンズン!」すぐにサクラマスと判る引きだ。このときもまた、「えっ? ホント? 釣れたの?」というほど、あっけなかった。
気を落ち着けながら、一眼レフとコンパクトカメラで写真を撮る。いつも失敗しないように心がけているが、大物を釣ったときなどは特に失敗作が多かったりする。手ぶれやピンぼけ、同じような構図ばかりだったり。良い写真を撮れる人はそれだけ大物慣れしている証拠だな、とベテランの写真を見るたびにそう感じる。
一緒に遅くまで頑張っていた仲間が来てくれた。「おめでとう」と満面の笑みで握手を求めてくる。こんなすばらしい仲間と出会える釣り、パワーウェットでのサクラマスフィッシングに心から感謝したいと思う。
ハイブリッドチューブ+ST3#4でマンティーラを泳がせて。
釣れたばかりのプラチナのように光り輝くサクラマスを初めて見た時は、まさに衝撃だった。目眩がするほど美しかった。普段見慣れている渓流魚よりも何十倍も大きい。その巨体が抵抗したときの緊張感はたまらない。圧倒的なトロフィーフィッシュだ。が、そう易々とは釣れない。常に自信と不安が入り交じる。釣れない時の絶望感と釣れたときの例えようのない達成感。天と地ほどの喜怒哀楽。先輩にそんな話をしたら「だからMIND ANGLERなんだよ」と言われてしまった。
2尺ヤマメを釣った帰りの車中、沢田さんの「朱色の塔」が心地よく鳴り響く。いつもはガウラをイメージするが今日は違う。映像の中の主役は今日の自分だった。いつもより一際音量が上がった。