'04 6年目の開花 サクラマス 64cm!
畑中 成仁 (はたなかしげひと) 静岡県在住 Shigehito Hatanaka in Shizuoka 【Japan】
フライフィッシング歴10年 / サクラマス歴6年
解禁日、早朝に来たファーストサクラマス64cm。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
64cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
ローズマリー on ハイブリッドチューブ にST3 #6をフリーフックシステムで使用
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ロッド Rod |
KS SS 1712D |
リール Reel |
KS SU SALMON II The Cherry Salmon Champagne Rose |
釣った日 Date of Catch |
2004/04/01 |
釣った場所 Place of Catch |
神通川 |
IMPRESSIONS
フライはハイブリッドチューブに巻いたローズマリー・バリエーション。
あれは2001年。富山県の神通川の抽選に当たり、必ず釣れると思い、意気揚々と出掛けていった。でも相手はサクラマス。そう簡単にはいかない。フライがただただ流れるだけで、惨憺たる結果に終わってしまった。でもそこで、地元の人達やエキスパートの人達と色々な話ができ、サクラマスの釣りに対する考え方が変わり始めていた。
翌年、九頭竜川で2匹のサクラマスをランディング直前でバラしてしまった。残念ではあるが、サクラマスにだんだん近づいてきたような気がした。が、昨年はサクラマスの手応えがただの1回もなく、かかるのはマルタばかりだった。
そして今年。再び神通川に挑むチャンスがやって来た。解禁の前日、3月31日に家を出た。早く川を見たくてうずうずしていた。川に着くと、そこにはすばらしい流れが広がっていた。一通り川の下見をする。川全体がハイウォーターで、ぞくぞくする。頭の中で一つ一つポイントが絞られ、ここぞと決めた場所に朝一番で川に入ろうと、車の中で寝ることにした。
翌早朝、川に入ると水は冷たいし、水圧で体が流されそうになる。石は滑るし、こらえるのがやっとである。1流ししたところで体が慣れ、2流ししてからポイントを変える。最初のポイントが気になり、もう一度戻る。時折強い風の中、キャスティングを続けていると精神的にもくじけそうになる。が、この海のような流れの中に、サクラマスがいないわけがないと思い、一投ごとに丁寧にD&Aでフライを流すことを繰り返した。
夢のファーストサクラマス
プールの核心部に到達するころ、気持ちが高ぶってきて「来るんだったら今だ!」と、半分は祈るようにフライをキャストした。フライが流心を過ぎ、泳ぎが大人しくなる直前、何かがフライをひったくった。凄い勢いで下流に下り、まるでロッドとリールが生きているように反応する。
一瞬マルタか・・との不安が頭を過ぎったが、頭の振り方、つっこみ方は明らかにサクラマスだと思った。でもまだわからない。魚は次に上流に上り始めた。ひやひやさせる。更に下流に向かったとき、魚が浮いて、でかい尾ビレが水面を割って出た。銀色の魚体が見え、サクラマスと確認できた。重いロッドの先から伝わってくるのはすさまじい生命力。まるでお互いの心臓の鼓動がぶつかり合っているようだ。
6年目の歓喜。
ついにサクラマスも疲れ、強引に岸にずり上げた。「やった!遂にやった!」体中の血がぐるぐる回っているのがわかる。しばらくの間、魚に見とれる。その後は自分が何をしているかはっきりせず、とにかく凄い勢いで駆け抜け、カメラを取りに車に戻った。サクラマスを釣る前はクタクタだったのに、釣った今は元気いっぱいになっていた。これまでの6年間の苦労がすべて消えていた。
今思えば、3年前にこの川で悔しい思いをしなかったら・・、エキスパートの人達に出会えなかったら・・、この日は来なかったと思う。
そしてフライで本流釣りに挑戦する素晴らしさを開拓した人達、野生魚の難しさを理解する人達、地元の人達、黙って見送ってくれる女房に感謝しています。これからも人生の一部として、この釣りを続けたいと思う。
・・・釣った夜は眠れなかったけどね!