'04 いつかはきっと サクラマス 61cm!
都築 健郎 (つづきけんろう) 愛知県在住 Kenro Tsuduki in Aichi 【Japan】
フライフィッシング歴11年 / サクラマス歴:2ヶ月
夢のファーストサクラマス61cm。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
サクラマス Cherry Salmon |
体長 Length |
61cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
アクアマリン・ピンク・ブルー on ウォディントン35mm
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ロッド Rod |
KS SS 1712D |
リール Reel |
KS SU SALMON I |
釣った日 Date of Catch |
2004/04/15 |
釣った場所 Place of Catch |
九頭竜川 |
IMPRESSIONS
今年からはじめたサクラマスへの挑戦。しかし何もかもが初めての川と魚。まずは僕の師匠であり、プロショップ「フライスペースカイト」の店主の平岩氏に同行してもらった。
実際に川に立って平岩氏の釣りを見て、またアドバイスをもらいながら九頭竜に慣れていく。もちろんそれですぐに釣れるはずもないのだが、やはり経験豊かな平岩氏のアドバイスを直接もらえるのは心強い。初回、2回、と釣行し、川で会う他のアングラーなどから昨日はあそこ、今日はそことサクラマスの情報を聞き、自分の竿には何の反応もないものの「いつかはきっと・・・」とサクラマスへの思いは強まっていく。
そして4月15日。僕にとって4回目の挑戦の日。 以前の釣行でなんとなく気になった「天皇陛下」のポイントに朝一番に入りたくて、深夜に家を出る。しかし福井市直前で突然の渋滞。真夜中にもかかわらず1時間半以上も足止めをくらうことに。結局徹夜になってしまい、しかもなんとか辿り着いた「天皇陛下」のポイントにはすでに2組の釣り人の姿が。
順番待ちするのも嫌なので、他のポイントの入ったものの、なんとなくリズムが乗らない。そしてそのまま昼過ぎになってしまった。「やっぱりサクラは簡単ではないな・・・」と弱気になってくる。気がつくと時刻は3時過ぎ。最後の1ラウンドかな、などと思いつつ、朝入れなかった「天皇陛下」に向かうことに。
ポイントに着くと風がものすごく強い。ラインがきれいに伸びず、キャスティングに苦労する。また弱気の虫が頭をもたげてくるが、最後の1ラウンドだからと言い聞かせ、少しラインを短くして、とにかくラインをまっすぐ着水させることに集中して釣りを続けていく。
突然の手応え
少し風にも慣れてリズムがでてきた数投目、突然「ゴンゴン」という衝撃とともにラインがひったくられた。釣りをしに来ていておかしな話だが、まさか九頭竜に数回来ただけで現実に自分の竿に魚がかかるなんて思ってもないので、現状が理解できない。根掛かりかな?と思いながら、とりあえず竿を下流側に倒して待つ。ラインがまた持っていかれる。相変わらずゴンゴンと衝撃は続いている。根掛かりでこんな不規則な動きがあるわけない。僕の半分パニックになりかけた頭が「魚だ!」という結論を出した。
サクラマスかどうかは分からないが、九頭竜ではじめて掛けた魚だ。何がなんでもバラしたくない。しかし寄せる時の力入れ加減が分からない。ようやく寄せてもまた魚は走っていく。誰かがいてもどうしようもないのだけど、振り向いて川原に誰かを探してみる。バラしたりして終わりたくはないけど、早くこの時間を終わらせたい。ラインの先に魚をつけて広い川原に一人ぼっちの自分が恐ろしく心細い。
いったいどれくらいの時間が経ったのだろうか。ようやくネットに魚が入った瞬間、思わず叫び声が出た。そして体の力が一気に抜けて浅瀬に座り込んでしまった。
今思うと。その時間、その場所にサクラマスがいたことはかなり偶然のような気がする。しかしそのサクラマスに向かってフライを流すことができた技術は(もちろん完璧には程遠いが・・・)偶然ではないはずだ。キャスティングからプレゼンテーション、スイング、ランディング等々、数々の的確なアドバイスをくれた平岩氏には本当に感謝したい。彼のおかげで他の人よりもずっと早く、僕はサクラマスを手にすることができたのではないかと思う。
僕の九頭竜詣は始まったばかりだ。頭の中でぼんやりとしか描けなかったサクラマスが今でははっきりとした姿で泳ぎ回っている。家でじっとしてることなんてできるわけない。