'06 残暑、源流、水溜まり イワナ 40cm!
前口 裕樹 (まえぐちひろき) 富山県在住 Hiroki Maeguchi in Toyama 【Japan】
フライフィッシング歴17年
10番のロイヤルコーチマンを呑み込んだ源流イワナ40cm。
MY TROPHY | MY RECORD |
魚種 Species |
イワナ Char |
体長 Length |
40cm |
体重 Weight |
計測せず |
フライ Fly & Hook Size |
ロイヤルコーチマン #10
|
ロッド Rod |
KS TR II |
リール Reel |
KS SU 45 Limimted BURGUNDY |
釣った日 Date of Catch |
2006/09/10 |
釣った場所 Place of Catch |
源流 |
IMPRESSIONS
この日も、残暑が厳しく、夜明け前から前日の熱が残っているような、暑い日だった。
今日は源流部を目指しての釣行である。私は左利きなので、2人で川を釣り上がるときは大抵左岸側を釣ることになる。いつものように私が左岸、釣友が右岸に分かれて釣り上がっていった。
カーブを曲がると目の前に単調な流れが10メートル近く続いていた。その先に何の変哲もない落ち込みがあり、川幅はほんの数メートルしか無かった。そのうえ流速もなく、水深は股下くらいだろうか。
しかし右岸側は岩が少しえぐらたようになっていて、流心が岸際に沿うように流れている。期待できるのはその流れだけに見えた。少なくとも、浅い砂地の左岸より良さそうだ。私はそのポイントを右岸にいる彼に任せることにした。
フライを落ち込みに落としさえすればドラッグフリーで流れてくる。魚がいればあっさり彼のフライを捕らえるだろう。
彼のフライは2、3度、岩盤に沿って流れたが何の反応も無かった。どうも魚は居ないようだ。私は半ば諦めていたが、念のため左岸に浮いた白泡の中に10番のロイヤルコーチマンをそっと置いた。
次の瞬間、私は自分の目を疑った。着水したはずのフライがパッと視界から消えたのだ。そしてロッドに大きな衝撃が走った。時間にすればわずか3〜4分のファイトだったと思う。やっとネットに収まった時、左手にはわずかなしびれと震えが残っていた。
もし、私がフライを不用意に落ち込みに投げていたら、このイワナは危険を感じて姿を隠したに違いない。大きな魚は一番いい流れの筋にいると信じて疑わなかったのだが、このイワナは一番のポイントでなく、こんな水溜まりにいた・・・。
沢田さんの著書にもよく出てくる、「やっと魚が釣れたとき、また次に現れる一筋縄ではいかない魚」のことを思い出した。このイワナと出会えて、フライフィッシングの楽しみと奥深さを教えてもらったような気がする。もう一度、今までに歩いた全ての渓流に行きたい気分になった。今なら当時の私より、ずっと楽しい釣りができると期待しつつ。
---つづく---