www.kensawada.com

ノーフィッシング&ノーフィッシュ

gaula001

2005年という年は、我らのサーモンフィッシングにおいて実に無惨な年だった。

冬場に例年の2倍の雪が降り積もったため、6月の解禁になっても雪代は勢いを増すばかり。結局、我々の滞在中、ガウラ上流部には1匹のサーモンも居なかったのだ。

その前の2000年から2004年までというもの、温暖化のためか、ガウラは5月から暖かく、解禁日の水位がまるで7月のローウォーターを思わせるほど低い年さえあった。

90年代後半、NFCは上流に魚が居ないハイウォーターの6月を前提に、ガウラフォスより下流のビートを保持していたが、2000年以降、6月も初っ端から上流部でサーモンが釣れた実績を受けて、この年、下流のビートをキャンセルしてしまったのだ。
gaula_003

一向に減る気配を見せないガウラを前に、成す術べもない。この年も、ビートはNFCに限らず、6月から予約で一杯だったから、ほとんどのアングラーがノーフィッシュで帰ったのは言うまでもない。

打開策として、NFCが急遽用立てたのが、約100km南を流れているリバー・オークラのビートだった。オークラは上流部に発電所を抱えているため、水位はダムの放水でコントロールされている。

行ってみると、大増水のガウラとは打って変わって、ひたひたと大人しい流れが目に入ってきた。同時に目に入ったのは、対岸のルアーマン&ベイトフィッシャーマンの多さだ。一体何人を受け入れているビードなのだろうか。

ガウラより川幅の狭いオークラで、対岸に遠慮しながらフライを投げる。何とも惨めっぽい話だが、諦めの中の一筋の光を当てにするしかなかった。
gaula_002

gaula_004

いざ釣りをしてみると、この川の規模で1713は明らかにオーバースペックで、ぎこちない。文句も言えず、ちぐはぐなまま、やっとのことで6kgほどのサーモンを1匹釣り上げて、この年の釣行を終わる。

釣果はたったの一匹。それも他の川で・・。ガウラ釣行始まって以来の悲惨な年となった。

6月のガウラは、上流に魚がいるかどうかは五分五分だ。6月は下流のみを目指して来た方がいい。しかし、6月はサーモンの遡上が徐々に始まる時期で、基本的に魚は薄い。

ここ数年、幸か不幸か6月でも上流部の方がよく釣れるという状況が続いてしまった。誰だって、ガウラは変わったと、自分の都合の良い方に持っていきたくなる。

何のことはない。ノーマルに戻っただけなのだ。ひとまず、初めてのボウズは免れたものの、6月の対策を怠ると、ここまで悲惨な目に遭う。我々にとっても、NFCにとっても、課題を残す年となった。