モンゴルフィッシング -- 2年間を終えて
平野 秀輔
2005年の進歩
とうとうその時がやってきた。昨年釣ったタイメンとはまるで違う手応えだった
2005年3月、仕事でウランバートルを訪れた際にガンスフやトラガと綿密な打ち合わせをした。いよいよツアーを始めるにあたり、さまざまな情報を入手し、問題点への対応を検討した。釣りのことだけでなく、キャンプで供される食事についても、日本人に合った食材を使い、味付けも工夫をするよう要求した。
そして2005年6月、初めてツアーを組んで出かけたオノン川は残念ながら10年ぶりの洪水となっていた。しかしアムガーもガンスフも何とか魚を釣らせようと、可能性のあるポイントに向かってひたすらプルゴンを走らせる。昨年の6月とはえらい違いだ。同行して頂いた多屋さんも宮崎さんも、最悪の条件でも何とかレノックとアムールトラウトを釣ることができた。そして既に報告させて頂いたが、チンギスハーンプールで地元の餌釣り師がフライフィッシングタックルを不思議そうに見つめる中、待望のメーターオーバータイメンに出会うことができた。
オノン川のタイメンは1mを超えると急速に太くなるようだ。つまり1メートルまではひたすら長くなり、それ以上は成熟によって長さより太さのほうに成長の方向が変わるのではないだろうか。いずれにせよオノン川にはタイメンの餌が多いということになる。つまりオノンは本当に豊かなのだ。
感無量だった。そしてオノン川が本当に好きになった。個人的にはガウラかオノンかと言うほど素晴らしい川になった。
そして9月。Ken Sawadaフライフィッシングスクールin モンゴルがオノン川で開催された。曇天に低水温という悪条件だったが、参加した皆さんはタイメンやアムールトラウト、レノックを釣り、楽しそうにしている。アムガーは冬支度が忙しいと渋々していた弟のトミンを無理やり連れ出して来た。二人ともロッドは持たず、ウェーダーを履いて次々とポイントを案内した。
2005年9月のスクールの合間に釣ったタイメン96cm。種類が違うのかもしれないが、メーターオーバーと比較するとかなり細い。これを釣ったときには大分タイメンにも慣れてきたと思ったのだが、2005年10月にはまた新たな課題が生まれてしまった。その詳細はまた来年。
キャンプ3日目の夜、沢田さんとゲルの中で語り合った。一年前が遠い昔のようだと。