ハプニング
翌日も川はわさわさと活気に満ちていた。朝9:30、沢田賢一郎が10.7kgを一匹、オレンジフレームの1.5"で上げた後、思いがけないハプニングが・・。
沢田賢一郎がプールのボトムまで釣り下ったとき、マリーアンはトップから釣り始めた。遠く下流を見ると、沢田賢一郎が何やら姿勢を低くしてフッキングの体勢に入っている。さあ、ビデオカメラとネットを持って走らねば・・・。
ラインを巻き取りながら河原にあがり、走りながら更に巻く。カンカンとフックが底石にひっかかった。「しまった。こんな時に根がかりか!」ちょうど根がかりの真横に来たとき、「な、何だと!?」根がかりがグーンと動き出したのだ。サーモンだ。「寄りによってこんなところで・・」
バレてもともとと思いながらラインを張る。魚は流心に向かって抵抗を始めた。これはもうファイトするしかない。下流を見ると沢田賢一郎は下の瀬に下られないよう、サーモンをプールの中程に誘導している。
午後2時、沢田賢一郎がプールのボトムで8.9kgをグリーンワスプ1"で。マリーアンはプールのトップで10.5kgを同時フッキング。フライは新作のグリーンスキーラ1-1/4"。無事ファイトは終了したものの、1シーンも撮れず、記念撮影のみ。残念。
At 2 o'clock in the afternoon, Ken hooked one salmon in the bottom of the pool and also Mary Anne did in the top. Ken landed 8.9kg on Green Wasp 1" and Mary Anne caught 10.5kg using Ken's new pattern "Green Squilla" 1-1/4". we could not take any pictures during our double fighting.
早くこっちを片づけてしまおうと、思いっきりプレッシャーをかける。サーモンは下流の流心に向かって80メートルほど走った。プールのトップでかけたから、いくら走られてもこっちは平気だ。走って走って疲れるがいい。
やがて 足もとまで寄せてきて困った。10kgクラスのサーモンをハンドランディングした経験がないのだ。まずはプレッシャーをかけてサーモンを弱らせよう。ヘトヘトになったサーモンを河原にずり上げればいいのだが、懸命に引っ張ったところで10kgがそう簡単に岸に上がるわけがない。
七転八倒して最後はしっぽの付け根をつかんでやっとの思いで押し上げた。下流に走りながらの予期せぬ究極のフッキングで、ST3#4はサーモンの蝶つがいを縫うようにがっちりかかっていた。フライは新作のグリーン・スキーラ。10.5kg。
下流を見ると沢田賢一郎がちょうどランディングに成功。マリーアンはもうくたびれてカメラまで走れない。万歳のサインを送る。 めでたく2匹ランディング。が、せっかくのシーンだというのに、写真もビデオも撮れなかった。ダブルフッキングは10年で初めて。
昨日に引き続き3本。沢田賢一郎が上げたのは8.9kg。グリーンワスプ1"。SS1712D_Hの驚異のキャスティング性能で、プールをくまなく探る。釣れなくてもストレスはない。
またしてもかすかなアタリがやってきた。弱いプレッシャーを保ちながらサーモンをフッキングへと誘う。
Again Ken got a gentle touch. Keeping a faint pressure to the salmon.
ひとまずフックアップに成功。しかしまだ安心できない。
Ken hooked the salmon up tentatively, but it was not perfect for him.
フッキングを確実にするために、まず岸に上がってサーモンを対岸に向けて走らせる。
For making sure of hooking, Ken steped up to the bank to make the salmon run toward the otherside.
作戦通り勢いよく走って、流心でジャンプしたサーモン。
As expected, the salmon ran into the fast current and jumped. Ken certainly hooked the salmon.
ようやくファイト開始。
Finally Ken started fighting.
今度は思いっきりプレッシャーをかけてサーモンを走らせる。
Ken tightened the line to make the salmon run more and more.
下流に一気に走ってジャンプするサーモン。
The salmon ran downstream at a dash and jumped.
そのままサーモンは下流に突進し、あっという間にフラットビームを100m引き出した。
100m Flat Beam in Ken's spool was already out. The line was still pulled by the salmon running.
更にサーモンは走り、およそ150m下流へ。下流に走ったサーモンを真上から引き寄せるために、再度川に入る。よほどのことがない限り、サーモンと一緒に河原を下ることはない。
The salmon was 150m downstream. Ken steped into the river again to pull up the salmon straight from his position. He never choiced and walked down the river with his salmon.
かなりの速度でリールを巻く。150mを一気に巻くのは結構大変だ。「まだ100mもある!」
Ken wound the reel without a break. "The fish is still 100m downstream."
やっと足下まで寄ってきたが、サーモンはなおも抵抗を続ける。いよいよ最後の詰め。岸に上がってサイドからプレッシャーをかける。
Finally Ken pulled the salmon to the bank. But the salmon was still strong. He steped up the bank again o give the pressure to the salmon from it's side.
力尽きて浮上したサーモン。体高のあるの魚体が浮き上がる。
The salmon came to the surface.
フックはサーモンの口奥深くにがっちりかかっていた。ソフトなアタリも時間をかけてじっくりフッキングするとこの通り。フックはST3#4。もちろんフリーフックで使用。
The hook ST3 #4 was in the mouth of the fish deeply. The hooking was very successful.
フライはオレンジフレーム1-1/2"。雨の多いガウラでは抜群の威力を発揮する。
The fly was Orange Flame 1-1/2" plastic tube. This fly is very effective in the Gaula when it's water is brown because of a lot of rain.
9kgくらいと思ったが、計ってみたら10.7kg。今年のサーモンは長さの割にやや太め。
Ken thought its weight was 9kg, but was 10.7kg.