10年目のガウラ
ノルウェーのトップサーモンリバー、ガウラに通うようになって今年ではや10年。失った若さと体力と引き替えに得たものはあまりに大きい。あらゆる状況に対する経験と知識と知恵。10年の間に開発した最強のタックルの数々。サーモンリーダー、ケンサワダ・フック、DSTフライライン、ニュードラッグ・・・、そして今年は更なる最強を目指して誕生したSS1712D Limited Hard Action。
2003年のガウラは「季節は早く、遡上は順調。解禁第一週目のアベレージはオーバー10kg。」という10年来初めて聞く朗報でスタート。川は6月らしいハイウォーター。水温は7度から9度。雨が降ったり止んだりで、水位はめまぐるしく変わる。少なくとも、我々にとっては最高のサーモンフィッシング・コンディション。
初日。水は透明ながら水位は高く、水温は8度。沢田賢一郎にアタリが一回あったきりで軽いウォーミングアップを決め込む。アタリだけで終わったのは多分、増水のピークであったためだろう。
翌日、川は減水に向かい、午後一でまず、沢田賢一郎がいきなり12.9kgのオスをランディング。ラインはDSTタイプIII、フライはアクアマリン・スクィッド1.5"。SS1712D_Hはこのサイズのサーモンを相手に余裕のファイティング性能を発揮した。
続いてマリーアンが10.1kgをオレンジフレーム1.5"で。更に沢田賢一郎が1"のローズマリーで11.2kgを上げた。10キロオーバーを3本並べ、いつもながらに華々しくスタートを切った。
プールは我々が到着する前も、我々が釣り上げた後もシーンと静まりかえっていた。サーモンはいきなりやってきてあっという間に去っていく。1匹釣れたらたたみかけるように釣る。記念撮影は後。こうして数を稼いでおく。まさにセオリー通り。
午後一番のレナプール。開始後5キャストでサーモンをフッキング。サーモンが十分フライをくわえるまで待って、ロッドを岸寄りに倒し、フッキングを確実にする。
In Renna Pool in June 10th, after 5 casting the Salmon took the fly.
フックアップ後、サーモンは凄まじい勢いで下流に走った。「凄い力。もう100メートル走ってる!」と、スプリングフィッシュのパワーに感動。
The fish was very strong and going 100 m downstream in no time after hooking up.
ロッドのパワーを利用してサーモンを流心から引き離しにかかる。ロッドはSS1712D_H。このロッドを使っての初めてのファイトは今シーズン大変楽しみにしていた。「このクラスの魚とファイトするには最高!」と、ロッドのパワーに敬意を表する。
Ken used his new rod SS1712D_H with outstanding casting performance and stout construction.
まだまだ魚は元気。岸を見るなり勢いよくUターン。ここで無理をするとあっけなくバレる危険が。
When the salmon colosing to the bank, it suddenly changed the way to the river.
マリーアンはカメラを石の上に置いてネットを差し出す。すくったサーモンが重く、ネットの柄が反ってしまっている。思わず「大っきい!」
Finally Ken lead the fish into the landing net Mary Anne held out. The season's first salmon was not small, but not a monster.
フライは6月のレナ定番のアクアマリン・スクィッド1.5"。2000年には14kgを引っ張り出した。
Ken choiced Aquamarine Squid on 1.5" plastic tube. In the season 2000, this fly caught 14kg nice cock salmon.
シルバーに輝く美形のオス。この美しさを手にしたら、日本からはるばるノルウェーまで通うための苦労が吹っ飛ぶ。
Also this fish was beautiful cock fish.
「そんなにない。多分・・・12.5kg。13あるかどうか!・・・」計測の結果、予想通り12.9kgでした。
Ken measured the salmon by himself. "Not so big, perhaps 12.5kg, or a little shorter than 13.kg..."
The fish weighed 12.9kg at the office of NFC.
その日の午後、沢田賢一郎の12.9kgに続いてマリーアンが幸運の10.1kgをランディング。いつものことながら、ボウズを免れホッとする。
Mary Anne caught 10.1kg just after Ken's catching 12.9kg in Renna Pool.
これで2匹。「2匹釣ったからもう止めよう」とは誰も言わない。ここでたたみかけておかないといつ釣れなくなるかわからない。
We got 2 salmon now.
写真は後にしてとにかく川に入る。
We have to continue fishing, because salmon are still coming into this pool with splashing.
再びアタリが来た。しかしかすかな弱いアタリ。いつまで待っても走ろうとしないサーモン。こんな時はいつもサーモンと根比べ。決して焦ってはいけない。
Ken got a gentle touch of a salmon. The salmon did not run quickly.
ごく弱いプレッシャーをかけながらラインを巻くと、サーモンはあっさり近くに寄ってきた。
Ken continues to give a faint pressure to the salmon. When he wound the reel, the salmon easily came up to the bank.
寄ってきたサーモンは今度はジリジリと下り始める。ロッドをサーモンの方に向け、素直にラインを出してやる。ここでも、微弱なプレッシャーを与え続ける。
Then salmon ran downstream slowly with Ken's same faint pressure.
ようやくサーモンが我に返って、流心に向かって走り出した。ロッドを思いっきり曲げてフッキング。アタリがあってからここまで、何と9分もかかった。
Finally the salmon began to run into the fast current. Ken made his rod bend to hook the salmon up. It was 9 minutes after the gentle touch!!!
やっとファイト開始。フライはローズマリー。急速に青空が広がったのでサイズは1インチを使用。
Ken started fighing with the salmon. His fly was Rosemary tied on 1" plastic tube.
ファイトしている間にも、別のサーモンの跳ねが見える。結構な群れが通りかかっているようだ。このファイトが終わるまで待っていてくれと願うばかり。
Ken looked at the other salmon running up the river while fighting. He wanted to catch next big one, too.
流心に向かって走ったサーモンのジャンプ。やっと飛んでくれた。
This is the first jumping of this salmon.
慎重なファイトの末に寄ってきたサーモン。ファイトがおとなしかったので8kgくらいかと、まずは小さめに見積もる。
Ken thought this salmon about 8kg because of its gentle fighting.
手で持ってみて、「ウーン、11kgかな・・・」。実際の計測では11.2kg。今のところかなり正確な見積もりだ。
Ken measured by himself. "This is about ... 11kg!" The fish was really 11.2kg at NFC office.
12.9kg、10.1kg、11.2kgと10キローオーバーを3匹並べたのは初めて。さあ、これからいくつ釣れるか・・・と、取らぬ狸の皮算用。
It was very luckcy day, 3 salmon over 10kg.
Ken expected next ones, but you will say, "you should never count your chickens before they are hatched."....
が、何回流してもプールはシーン。群れが行ってしまったのだ。空が快晴になったところであきらめてロッドをたたむ。
s expected, there were nothing. No splashing, no touch.